文書作成日:2023/07/11
解雇を実施する際の留意点
雇用契約の終了には、定年や自己都合退職の他、解雇や雇止めがあります。この中でも、解雇を行う際には様々な注意点があり、トラブルとならないようにする必要があります。以下では、普通解雇・整理解雇を実施する際の留意点についてとり上げます。
[1]普通解雇
解雇とは、使用者(会社)からの申出による一方的な雇用契約の終了のことをいいます。使用者はいつでも自由に解雇を行えるというものではなく、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当と認められない場合は、解雇をしても無効となります。
また、一定の場合については法律で解雇が禁止されています。主なものは以下のとおりです。
[労働基準法]
[男女雇用機会均等法]
[育児・介護休業法]
解雇をするときは、合理的な理由があったとしても、原則として少なくともその30 日前に解雇の予告をすることが求められます。予告を行わない場合には、30 日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。なお、期間の定めのある労働契約(有期労働契約)において、契約期間の途中で労働者を解雇することは、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の場合よりも、解雇の有効性は厳しく判断されます。
[2]整理解雇
解雇の一種に整理解雇があります。これは、使用者が不況や経営不振などの理由により、解雇せざるを得ない場合に人員削減のために行う解雇を指します。以下の4つの要素に照らして整理解雇が有効か厳しく判断されます。
雇用契約の終了の一つで解雇に似ているものとして「退職勧奨」がありますが、これは使用者が労働者に対して退職を勧めることをいいます。労働者が自由意思によりその勧奨に応じる場合は問題となりませんが、使用者が労働者の自由な意思による決定を妨げる勧奨は、違法な権利侵害に当たると判断される場合があります。トラブルを避けるためには、対象となる労働者としっかり向き合い、丁寧に説明することが求められます。
■参考リンク
厚生労働省「労働契約の終了に関するルール」
※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。